筆者プロフィール

本名 高橋司、ベアレン創業メンバー。
ドイツの大学へ留学中にビールの魅力にハマり、国内地ビールメーカーでの経験を経て、現在に至る。

イングリッシュ・サイダーは、なぜシードルと呼ばないのか?

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イングリッシュ・サイダーを説明するときに、いつも困ることがある。
それは...

「結局、リンゴのお酒でしょ?シードルとサイダーと何が違うのよ?」
おっしゃるとおりだと思う。

何が違うのか?その液体だけに目を向けると、「同じ」としか言えない。
だけど、「イングリッシュ・サイダー」として私達は販売し続けている。

いったいなぜか?

一番の理由は、私達が「ビールの醸造所」だからだ、という
アイデンティティがそこにあるから、だと思う。

英国のパブで飲まれるエール。
そして、そのパブ文化の中にエールと一緒に文化を作り上げてきたサイダー。
この古い歴史のあるパブ文化を支えてきたサイダーは間違いなくシードルとは違う。

エールのように、パイントに注がれて飲む。
出来上がったサイダーは、時にはパブのオーナーが
樽サイダー開栓から徐々に変化する味わいをコントロールし飲み手に伝えて楽しむ。
私達は、本場英国のそんな文化をリスペクトしている。
だから「イングリッシュ・サイダー」という名前であって、
「シードル」として販売していない、ということになる。

今年も、地元の農家の方々が収穫されたリンゴをたっぷり贅沢に使ったサイダーが出来た。
今年は糖度が高く、アルコール度数が昨年より0.5%上がった。
地元の方々と大切に作り上げたサイダーをぜひとも味わっていただきたい。